バスキア・ライフ・イン・ジャパン|Jean‐Michel Basquiat’s life in Japan

挑発的二分法

挑発的二分法(suggestive dichotomies)

「挑発的二分法」とは、バスキアの芸術にとって切っても切り離せない概念です。「貧乏と金持ち」、「黒人と白人」のように、相反する要素を対比して、言葉では表現し切れない思いを芸術で表現しようとしました。

 

例えば、作品「Per Capita(一人当たり)」(1981年)で書かれている文字「E PLURIBUS(エ・プルリブス)」とは、ラテン語で、アメリカ合衆国の意味で、その文字の下に州のリストと当時のそれぞれの市民一人当たりの所得を書き出す(アラバマ州7,484ドル、カリフォルニア州10,856ドル・・・)事によって、バスキアは203cmx381cmの大画面で、貧困層と富裕層の不公平を指摘しました。

 

また、「Irony of the Negro Policeman(黒人警察官のアイロニー)」(1981年)という作品では、アフリカ系アメリカ人が、白人社会によって支配されているというバスキアの考えを表現したものです。黒人の警察官は同じ黒人たちの味方をすべきだが、警察官はまだ白人社会によって作られた制度に従っているので、「黒い肌だが白い仮面を被っている」という事を伝えています。

 

 

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